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父親と西部劇

我が父親は、色々な面で非常に厳しい人だ。(70を過ぎて、最近は、だいぶ丸くなった。)
仕事が忙しかったのも原因だろうが、子どもの頃に遊んでもらった記憶は、ほとんど無い。
あまり裕福ではなかったので、子どもができるとタバコをやめ、パチンコをやめ、マージャンもやめたらしい。
趣味も無く、家族のために黙々と仕事をする、そんな父親だった。
たまに早く帰ってくるとテレビのチャンネルを独占してしまう。ほとんどNHKしか見なかった。
子ども心に、遅く帰ってくることを願ったものだった。
BSなどが普及する前、NHKでは、年末年始に西部劇特集をよくやっていた。
無趣味と思っていた父親も若い頃は。映画好きで、相当観ていたようで、特に西部劇ファンだったらしい。
年末年始は、このNHKの西部劇特集だけは、遅くまで見ていても怒られなかった。
特に会話も無く、親子二人で黙って西部劇を見ていた。
最も好きな西部劇は、『駅馬車(1939年 監督:ジョン・フォード 出演:ジョン・ウェイン、クレア・トレヴァー)』だ。
アメリカの西部劇映画の歴史を語るときに欠かせない作品である。
何よりもまず、クレア・トレヴァーの美しさが印象的であり、ジョン・ウェインがショットガンを使っている。
いつものように父親と二人で黙って見ていると、急に父親が「ジョン・ウェインは、早撃ちのガンアクションが苦手で、だからショットガンを使っているんだ。」と教えてくれた。
父親からそんな話を聞くとも思っていなかったので、びっくりした。そして、嘘か本当かわからないが、確かにジョン・ウェインはその後出ている多くの作品でショットガンがメインであった。
Posted by 勝手にシエマ応援隊.
2010年03月01日13:00
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