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Posted by さがファンブログ事務局.

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」―カラッと寄り添う元夫婦―


鴨志田穣さんの自伝的小説を原作に映画化した作品。
妻はかの有名な漫画家・西原理恵子さん。

元戦場カメラマンの塚原(浅野忠信)はアルコール依存症から抜けられない。妻・由紀(永作博美)と離婚し、2人の子供たちとも離れ、母と2人暮らし。家族のもとへ帰るんだ、と言い聞かせながら、アルコールにまた手を出してしまう。血を吐いて倒れることも多く、とうとう精神病院へ入院することに。妻と家族の支えもあって、自分を見つめ直していきます。

アルコール依存症の主人公の人生と、彼を取り巻く家族、入院患者が、とてもカラッと描かれています。アルコール依存症の悪化から妻に暴力をふるって離婚するなど、その経緯はドロドロでしかありません。依存症のおかげで幻影も観るし、血も吐くし、もうカラダはボロボロ。なのに、元妻は「なかなか死ねないねぇ」と、なんだかとっても明るいのです。子供たちも明るくまっすぐ。離婚したのにおとうしゃんが大好き。

医者から元夫の余命が長くないことを聞いても、「この頃、悲しいのと嬉しいのとが分からなくなってきた」と満面の笑顔を向ける元妻。ですが、台所に立っているときに、ふと目に染みた玉ねぎが、彼女の悲しみスイッチを押してしまいます。泣き崩れる母を見守る子供たち。台所に燦々と降り注ぐ陽光とのコントラストが印象的。

深刻な物語を、のんびり描いている東陽一監督。
バリアフリーさが映画祭2010でも佐賀へお越しくださいました。
重い題材なのに重くなく、家族の絆や夫婦の絆をちゃんと考えさせる映画です。
離婚しても寄り添い続ける元妻に、医者が「なぜ、そこまで心配するの?」と尋ねます。
「一度好きになった人はなかなか嫌いにならない」と元妻。
永作博美さん、いいですねぇ。

エンディングは忌野清志郎の「誇り高く生きよう」。これもいい。
そして、鑑賞後はシーフードカレーが食べたくなること間違いなし!
シエマのカフェで出してます。

シエマで、1月28日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1731
17日(月)、18日(火)、20日(木)の11:00の回はバリアフリー上映(字幕・副音声付上映)。  


Posted by ぽてち. 2011年01月17日22:38 | Comment(0)