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「小さな村の小さなダンサー」― 文化大革命とバレエ ―

「ゾンビランド」で大笑いした後は、「小さな村の小さなダンサー」で大泣きしました。
中国出身の名ダンサー、リー・ツンシンの激動の半生を映画化。
1961年、中国山東省の貧しい村で、リーは7人兄弟の6番目として生まれる。
毛沢東の文化政策を進めるため、バレエの才能発掘が全国で展開。
身体能力だけで子供たちを選抜し、家族と引き離して英才教育を受けさせる。
村からはリーが選ばれ、「家族の誇りとなれ」と送り出されるリー。
最初は落ちこぼれていたが、チェン先生と出会い、バレエの面白さに目覚めていく。
毛沢東夫人・江青の前で素晴らしい舞台を披露する生徒たち。
なのに、難しい顔をして言った言葉は、「なぜ銃が出てこないのだ?」。
毛沢東の革命を礼賛するバレエを強制されますが、
やんわり反論したチェン先生は反革命分子として連行されます。
時代が移ろい、改革開放が進む中、アメリカに短期留学するチャンスがやってきます。
自由の国・アメリカで、強制されない自由なバレエを舞い踊るリー。
次第に彼の心にも変化が芽生え、リーはとうとう、国に家族を残しながら、亡命する道を選びます。
一流ダンサーとして花開くものの、二度と帰国が許されないことになったリー。
自由と引き換えに払った代償は重いものでした。
主演は、自身も中国出身で現在は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして
活躍するツァオ・チー。バレエシーンが素晴らしいのはもちろんですが、
このツァオ・チーの演技もいいです。
渡米したリーが、芸術には自由が必要なのだと気づいていく様がリアルです。
本作の原題は『Mao's Last Dancer』、直訳すれば「毛沢東の最後のダンサー」。
幼いころは、紅衛兵になるのが夢だったリー。
自分の意志と関係なくバレエを始めたことで、共産主義と文化大革命に翻弄されていきますが、
バレエでの大成が、結果的に両親との再会も、故郷に錦を飾ることも可能にしてくれました。
最後は、安堵と感動の涙。
きっとリーの両親も、息子の舞台が涙でかすんで見えたことでしょう。
シエマで、1月14日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1731
Posted by ぽてち.
2011年01月09日16:15
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「ゾンビランド」― 人生初のホラーコメディ ―

いや~、くだらないけど面白い作品に出会いました。
ホラー系もグロいのも苦手なので、当然ゾンビ映画も観たことないのですが、
シエマ支配人の強烈プッシュに乗せられて鑑賞。
さすが支配人、観て良かったです!
ある日、謎の新型ウイルスに感染した人間がゾンビ化して人々を襲い、世界ニゾンビが増殖してしまう。
テキサス州に暮らす大学生コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、なんとか生き延びていた。
やがて彼は、ゾンビ・ハンター、タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会い、彼の車に同乗する。
そこへ、美人姉妹のウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)が合流、
4人で旅をすることに。そして、ゾンビと無縁の天国があるという噂を頼りに、
ロサンジェルス郊外の遊園地‘パシフィックランド’を目指す。
噛まれた人間は次々とゾンビになってしまう、という定番の設定ながら、なぜか生き残っているコロンバス。
ひ弱な彼が生き残れたのはただの偶然。ひきこもりなだけなんです。
しかし、隣人のゾンビ女子に襲われそうになった彼は、己に生き残るための32のルールを課します。
「ルール1:有酸素運動」 とか
「ルール2:二度撃ちして止めを刺せ」 とか
「ルール4:シートベルトをしろ」 とか。
ま、一切覚える必要はありません。画面に字幕で表示してくれるから。ルールも都合よく変化します(^^
タラハシーのゾンビ・ハンターぶりがまたすごい。バッタバッタとなぎ倒していくので痛快です。殺すシーンははっきり見せないので、私のようにグロ系が苦手な人も割と大丈夫。っていうか、ゾンビ弱すぎです。
ハリウッドに立ち寄ったときには、勝手に豪邸に泊まることにし、訪れたスターはB.M。そう、ビル・マーレイでした。本人が本人役で、しかもゾンビのコスプレで登場。ゴースト・バスターズ世代にはたまらないのではないでしょうか。そのあと、驚愕の展開に。
ゾンビなのになんでコメディなんだろう?と、初大笑いにもってこいかも。
スカッとしますよ。エンドロールの後もお楽しみがあります。
主役のジェシー・アイゼンバーグは、来月公開予定の「ソーシャル・ネットワーク」で
facebookを立ち上げた人も演じています。
シエマで1月14日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1701
Posted by ぽてち.
2011年01月09日15:35
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