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恋人たち
正直言うと、こういう映画は観ていて感情移入して、胸が苦しくなるし、わかっていてもこういう現実があることを突きつけられることで自分のまわりの平和な日常が悪いことのように思えてきたりするので、あまり好きではないんですよね。
でも、こういうことを感じさせ、考えさせることが、この映画の目的でもあるんでしょうから仕方ないですね(笑)
でも、最後は、それでも人は生きていく、生きていける、生きていくしかない、という希望のような、強さのような、あきらめのようなシーン。最後の「生きていくしかない」「あきらめ」というのは、作り手の気持ちにはないのでしょうが、私はそういう思いを持ちながら、エンドロールを見つめていました。
でも、エンドロールが終わらないうちに席を立とうとしたら、スタッフのSさんから「最後、ありますよ」って教えていただき、目にした1シーン。そこには、「あきらめ」はなく、明るい希望を訴える「色彩」がありました。
たまにはこういう映画を観ることで、人はやさしくなっていくのかも知れません。
今週11日までです。
http://koibitotachi.com/
写真をアップしようとしましたが、今までの方法でうまくいきません(涙)
Ps 翌日は先行上映の「007 スペクター」を観ました。全然違う映画を観るのがまた楽しいですね。
でも、こういうことを感じさせ、考えさせることが、この映画の目的でもあるんでしょうから仕方ないですね(笑)
でも、最後は、それでも人は生きていく、生きていける、生きていくしかない、という希望のような、強さのような、あきらめのようなシーン。最後の「生きていくしかない」「あきらめ」というのは、作り手の気持ちにはないのでしょうが、私はそういう思いを持ちながら、エンドロールを見つめていました。
でも、エンドロールが終わらないうちに席を立とうとしたら、スタッフのSさんから「最後、ありますよ」って教えていただき、目にした1シーン。そこには、「あきらめ」はなく、明るい希望を訴える「色彩」がありました。
たまにはこういう映画を観ることで、人はやさしくなっていくのかも知れません。
今週11日までです。
http://koibitotachi.com/
写真をアップしようとしましたが、今までの方法でうまくいきません(涙)
Ps 翌日は先行上映の「007 スペクター」を観ました。全然違う映画を観るのがまた楽しいですね。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年11月30日17:38
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「海峡 1890」 一筋の明るい光のような映画
パリの悲惨なテロ。世界がぎすぎすしている今、一筋の明るい光のような映画です。
先日、佐賀市内で行われた試写会で「海峡 1890」を観ました。
タイトルの1890は、トルコの日本への親善使節団の船が和歌山県沖で台風で遭難し、近くの島の住民が不眠不休で救助活動を行った年を示しています。
まだ船旅が危険だった時代に、はるばるトルコから日本を訪れ、残してきた家族のことを思いながらも相次ぐ台風でなかなか帰路に着けない使節団。ようやく船を出した矢先に、大きな台風が船を襲い、懸命に船を守ろうとする船員の目に映った灯台の灯り。
しかし、船は沈没し、500名以上が死亡。生き残った69名を懸命に救助する島の人々。自分たちは食べるものがなくなっても食べ物をあげ、盗んでいると疑われた高価な品々も実は・・・。日本人の心の清らかさが胸を打ちます。
そして、時代は変わり、イラン・イラク戦争。戦火が迫る中、日本からの救助が来なくて途方に暮れるたくさんの邦人。トルコ政府の暖かい英断でトルコ機に乗せてくれることになったのですが、法人が空港に着くとそこには取り残されたより多くのトルコ人。
自国民よりなぜ異国の人間を助けるのだ、と混乱する現場。議論の末にトルコの人がとった行動は・・・。
見終えて、優しい気持ちになれる、日本人、そしてトルコ人をとても好きになるいい映画でした。
すみません。シエマでは上映されませんが、109シネマで12月5日から上映です。ぜひ、観てください。
(以下、109シネマHPより転載)
1890年の和歌山県紀伊大島樫野。この地に暮らす医師・田村は、貧しい者を親身になって診察することから村民の信頼を集めていた。彼の傍には許婚を海難事故で亡くしたショックから口がきけなくなったハルが、いつも助手として就き従っている。同年9月、日本への親善使節団としての使命を終え、帰路についたトルコのエルトゥールル号は台風に遭遇した。暴風雨の中、船は樫野崎沖で沈没。島中に響き渡る船の爆発音を聞いた住民たちは、岸壁で漂着した膨大な数の死体と船の残骸を発見する。住民は総出で救出活動を行い、田村とハルは救護所でけが人の手当てに追われる。救護所に運び込まれた海軍機関大尉のムスタファは呼吸が止まっていたが、ハルの懸命な心臓マッサージで息を吹き返した。翌日、生き残った乗組員は69名と判明。実に500名以上が犠牲になった大惨事だった。自分が生き残ったことに罪悪感を覚えて苦悩するムスタファは、やり場のない怒りを田村にぶつけた。田村は漂着物を綺麗に磨いて、母国の遺族に返そうとする村人たちの姿をムスタファに見せる。ムスタファの胸には、人を想う日本人の深い真心が刻まれた・・・。
先日、佐賀市内で行われた試写会で「海峡 1890」を観ました。
タイトルの1890は、トルコの日本への親善使節団の船が和歌山県沖で台風で遭難し、近くの島の住民が不眠不休で救助活動を行った年を示しています。
まだ船旅が危険だった時代に、はるばるトルコから日本を訪れ、残してきた家族のことを思いながらも相次ぐ台風でなかなか帰路に着けない使節団。ようやく船を出した矢先に、大きな台風が船を襲い、懸命に船を守ろうとする船員の目に映った灯台の灯り。
しかし、船は沈没し、500名以上が死亡。生き残った69名を懸命に救助する島の人々。自分たちは食べるものがなくなっても食べ物をあげ、盗んでいると疑われた高価な品々も実は・・・。日本人の心の清らかさが胸を打ちます。
そして、時代は変わり、イラン・イラク戦争。戦火が迫る中、日本からの救助が来なくて途方に暮れるたくさんの邦人。トルコ政府の暖かい英断でトルコ機に乗せてくれることになったのですが、法人が空港に着くとそこには取り残されたより多くのトルコ人。
自国民よりなぜ異国の人間を助けるのだ、と混乱する現場。議論の末にトルコの人がとった行動は・・・。
見終えて、優しい気持ちになれる、日本人、そしてトルコ人をとても好きになるいい映画でした。
すみません。シエマでは上映されませんが、109シネマで12月5日から上映です。ぜひ、観てください。
(以下、109シネマHPより転載)
1890年の和歌山県紀伊大島樫野。この地に暮らす医師・田村は、貧しい者を親身になって診察することから村民の信頼を集めていた。彼の傍には許婚を海難事故で亡くしたショックから口がきけなくなったハルが、いつも助手として就き従っている。同年9月、日本への親善使節団としての使命を終え、帰路についたトルコのエルトゥールル号は台風に遭遇した。暴風雨の中、船は樫野崎沖で沈没。島中に響き渡る船の爆発音を聞いた住民たちは、岸壁で漂着した膨大な数の死体と船の残骸を発見する。住民は総出で救出活動を行い、田村とハルは救護所でけが人の手当てに追われる。救護所に運び込まれた海軍機関大尉のムスタファは呼吸が止まっていたが、ハルの懸命な心臓マッサージで息を吹き返した。翌日、生き残った乗組員は69名と判明。実に500名以上が犠牲になった大惨事だった。自分が生き残ったことに罪悪感を覚えて苦悩するムスタファは、やり場のない怒りを田村にぶつけた。田村は漂着物を綺麗に磨いて、母国の遺族に返そうとする村人たちの姿をムスタファに見せる。ムスタファの胸には、人を想う日本人の深い真心が刻まれた・・・。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年11月20日12:40
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今まで考えなかった視点。「この国の空」
戦争映画はできるだけ見ようと思っています。この夏は、シエマで「野火」も見ましたが、「この国の空」はこれまでの戦争の視点とは違った映画でした。
昭和20年。東京大空襲があって、東京は焼け野原。戦局も一億総玉砕の声も聞こえてきて、これまで召集されなかった人にも、いつ赤紙が来るかわからないといった状況です。
主人公は、子供や若い男性がいなくなった東京に暮らす若い女性、里子。母親とふたり暮らしです。隣には、38歳の銀行員。丙種で年齢もいっているので、召集されたことはありません。でも、戦局が戦局だけに、自分にも赤紙が来ることを恐れています。
これまで考えなかった視点というのは、里子という若い女性のこころと身体です。自分の身の回りに、恋愛の対象となる若い異性がいない(そういう環境を自ら選択したわけではなく、戦争によって自分の意思とは関係なくそういう環境に置かれた)人にとって、戦争は、身体が大人になる、異性への関心が出てくるといった人生のそういう大切で短い時期を奪うものでもあったということです。
「野火」の訴える戦争の悲惨さとはまったく違う意味の戦争の残酷さでした。
ところで、遅ればせながら、ちょうど浅田次郎さんの「終わらざる夏」を読んでいます。こちらにも丙種で40歳を過ぎて召集される登場人物がいて、終戦間際に召集される人・家族の心情が書かれています。
日曜日のお昼に行きましたが、私のほかはすべて女性のお客さんでした。女性の関心が高いテーマかも知れません。
(シエマHPより)
1945年、終戦間近の東京。
19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に暮らしている。
度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、
日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、健気に生活している。
妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が隣に住んでいる。
里子の周りでは日に日に戦況が悪化していく。
田舎へ疎開していく者、東京に残ろうとする者...。
戦争が終わると囁かれはするものの、すでに婚期を迎えた里子には、
この状況下では結婚などは望めそうもない。
自分は男性と結ばれることなく、死んでいくのだろうか。
その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだんと喜びとなり、
そしていつしか里子の中の「女」が目覚めていくのだが──。
昭和20年。東京大空襲があって、東京は焼け野原。戦局も一億総玉砕の声も聞こえてきて、これまで召集されなかった人にも、いつ赤紙が来るかわからないといった状況です。
主人公は、子供や若い男性がいなくなった東京に暮らす若い女性、里子。母親とふたり暮らしです。隣には、38歳の銀行員。丙種で年齢もいっているので、召集されたことはありません。でも、戦局が戦局だけに、自分にも赤紙が来ることを恐れています。
これまで考えなかった視点というのは、里子という若い女性のこころと身体です。自分の身の回りに、恋愛の対象となる若い異性がいない(そういう環境を自ら選択したわけではなく、戦争によって自分の意思とは関係なくそういう環境に置かれた)人にとって、戦争は、身体が大人になる、異性への関心が出てくるといった人生のそういう大切で短い時期を奪うものでもあったということです。
「野火」の訴える戦争の悲惨さとはまったく違う意味の戦争の残酷さでした。
ところで、遅ればせながら、ちょうど浅田次郎さんの「終わらざる夏」を読んでいます。こちらにも丙種で40歳を過ぎて召集される登場人物がいて、終戦間際に召集される人・家族の心情が書かれています。
日曜日のお昼に行きましたが、私のほかはすべて女性のお客さんでした。女性の関心が高いテーマかも知れません。
(シエマHPより)
1945年、終戦間近の東京。
19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に暮らしている。
度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、
日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、健気に生活している。
妻子を疎開させた銀行支店長の市毛(長谷川博己)が隣に住んでいる。
里子の周りでは日に日に戦況が悪化していく。
田舎へ疎開していく者、東京に残ろうとする者...。
戦争が終わると囁かれはするものの、すでに婚期を迎えた里子には、
この状況下では結婚などは望めそうもない。
自分は男性と結ばれることなく、死んでいくのだろうか。
その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだんと喜びとなり、
そしていつしか里子の中の「女」が目覚めていくのだが──。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年10月05日12:09
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僕は2度驚きました。 「女神は二度微笑む」
シエマのHPの紹介文の冒頭がこれです。
「インド映画の枠を超え、あらゆる観客を虜にする、至高の本格派サスペンス・エンターテインメント!」
こんな風に書いてあるけど、やっぱりインド映画だからきっと主義主張のある重い映画だろうと思っていたら、本当にザ・エンターテイメントでした。いやー、面白かった。男2人で観に行ったのですが(途中で会った友人には、飲みに行っているとしか思ってもらえませんでしたが・・・)、2人ともシアターを出たとたん、開口一番「いやー、面白かった」。
詳しく書くと種明かしになるので、あらすじは下のシエマHPにお任せしますが、どんでん返しが2回。女神は2度微笑みますが、僕は2度驚きました。
ちょっとだけ書くと、僕はずっと、なぜ主人公は妊婦である必要があるんだろう?と思いながら観ていたのですが、終盤でその理由は警察官のセリフで明かされました。でも、それが本当の答えでもなかったんです!
本当にあっという間に123分が過ぎました。
明日までです。観に行ってもらいたいので、家に帰ってすぐ書きこみました。
(以下、シエマHPより)
2年前、毒ガスによる地下鉄無差別テロ事件で多くの犠牲者が出たコルカタの国際空港に、美しき妊婦ヴィディヤが降り立った。はるばるロンドンからやってきた彼女の目的は、一ヵ月前に行方不明になった夫のアルナブを捜すこと。しかし宿泊先にも勤務先にもアルナブがいたことを証明する記録は一切なく、ヴィディヤは途方に暮れてしまう。やがてアルナブに瓜ふたつの風貌を持つミラン・ダムジという危険人物の存在が浮上。それを知った国家情報局のエージェントが捜索に介入し、ヴィディヤへの協力者が何者かに殺害される緊迫の事態に発展していく。
はたしてアルナブはミランと同一人物なのか、それとも人違いで何らかの陰謀に巻き込まれたのか。少々頼りなくも誠実な警察官ラナの協力を得て、なおも夫捜しに執念を燃やすヴィディヤは、2年前の無差別テロと結びつく驚愕の真相に迫っていくのだった……。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年07月02日21:02
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『パリよ、永遠に』~今、パリがあるのは奇跡かも知れない
パリには2回行きました。最近では、おととし。シテ島やセーヌ河畔を散策し、ノートルダム大聖堂の静謐な空間の中でゆっくりとした時間を感じる。あの周辺を思い出すだけでも、もう一度パリへ行ってみたいと思います。
そんなパリは存在するのが当たり前で、なくなっていたかも知れないということを考えたこともありませんでした。
映画は、ほとんどホテルの部屋(この部屋には秘密もあります)での、ドイツ軍パリ防衛司令官コルティッツと、パリで生まれ育った中立国スウェーデン総領事ノルドリンクの駆け引きです。会話だけでなく、しぐさ、目線にも一つひとつ意味があって、その意味を考えるだけでも面白い映画でした。
急な発作に見舞われて薬をとって欲しいと頼むコルティッツ。その薬を入れている引き出しには拳銃も。一瞬手が止まるノルドリンク。そのほか、残念ながら意味を理解できなかったけれど、きっと意味があった目線。
最後に、コルティッツが爆破を中止する指示を出してホッとしたのも束の間、現場では命令を無視する動きもあって、最後まで緊張感のある映画でした。
エンドロールでは、2人のその後についての説明もあります。
おもしろいですよ。83分と比較的短い映画です。6月19日まで。
---------------------------------------------------
(以下、シエマHPから)
エッフェル塔も、オペラ座も。ヒトラーはすべてを燃やし尽くしたかった。しかし、パリは守られた。そこには何があったのか。
第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ占領下のフランス。
この日、エッフェル塔も、オペラ座も、ノートルダム大聖堂も・・・パリの象徴でもあり、世界に誇る美しき建造物はすべて、爆破される運命にあった。アドルフ・ヒトラーによる「パリ壊滅作戦」が今まさに実行されようとしていたのである。かつてパリを訪れたヒトラーは、一瞬にしてこの街の美しさの虜となった。戦時下のベルリンが廃墟と化した今、パリの美しさが許せない。ドイツの敗北は時間の問題だったが、ヒトラーは嫉妬ゆえに破壊を命じたのだ。しかし、最後の最後で、パリは生き残った。 そこには、パリを守るために一世一代の「駆け引き」に出た一人の男の存在があった
パリの破壊を命じられた男V.S.パリを守りたい男。運命の一夜のスリリングな「駆け引き」に一瞬も目が離せない。
ヒトラーにパリ壊滅作戦を命じられたドイツ軍パリ防衛司令官コルティッツと、パリで生まれ育った中立国スウェーデン総領事ノルドリンク。物語は、ノルドリンクがコルティッツを思いとどまらせようと、ドイツ軍が駐留するホテル ル・ムーリスの一室を訪れるところから始まる。正攻法では説得は成功しない。相手の懐を探りながら押したり引いたり…ひとつの仕草さえも「駆け引き」だ。時には誠心誠意の愛情を込めた巧みな心理戦。ノルドリンクの外交術こそ、この映画の醍醐味であり、アクション映画とは違ったスリルを存分に味わえる。
フランスで大ヒットした舞台を、ドイツの名匠シュレンドルフが舞台と同じデュソリエ、アレストリュプの二大名優で映画化。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年06月09日17:27
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「フォックスキャッチャー」
またしてもサボってしまいました。すいません。
(C)MMXIV FAIR HILL LLC-ALL RIGHTS RESERVED
2014年のカンヌ映画祭でも話題になった作品。
なぜ、デュポン社の御曹司ジョン・デュポンはオリンピックの金メダリストを殺害したのか。レスリング好きが高じて、全米を代表するチームを作り上げたのはまさにジョン当人なのに。
135分ありますが、最初から最後まで緊迫しています。ホラーでもなんでもないのにこの緊迫感。チャニング・テイタムは兄弟メダリストの弟マーク・シュルツを演じるのですが、選手としても指導者としても人間的にも優れた兄(マーク・ラファロ)を超えることができずに悶々。「マジック・マイク」ではストリッパー、「ホワイトハウスダウン」では軍人、など、その体格と運動神経の良さを活かした出演の多い俳優さんですが、今回の鬱屈した演技も素晴らしい。
ジョン・デュポンを演じたのはスティーヴ・カレル。ひたすらコワい。言葉は多くないけどコワいんです。なんとコメディアン。もっとコワい。
一番感嘆したのは兄のデイヴ・シュルツを演じたマーク・ラファロ。「アベンジャーズ」でハルク演じてましたよね?「キッズ・オールライト」でレズビアンカップルのジュリアン・ムーアといい仲になってましたよね?立ち方、歩き方、ハゲ方、モロモロの作り込みがすごい。天才的にレスリングがうまい選手そのものに見えました。絶対、「はじまりのうた」も観ようと心に決めました。
レスリングが、パワーだけでは勝てない奥深いスポーツであることも知りました。メダリストになっても、スポーツだけで身を立てるのはほんとに大変であることも。
いやー見ごたえあります。
シエサポ会の吉木さんの解説をどうぞ!
http://ciema.info/index.php?itemid=3795
(C)MMXIV FAIR HILL LLC-ALL RIGHTS RESERVED
2014年のカンヌ映画祭でも話題になった作品。
なぜ、デュポン社の御曹司ジョン・デュポンはオリンピックの金メダリストを殺害したのか。レスリング好きが高じて、全米を代表するチームを作り上げたのはまさにジョン当人なのに。
135分ありますが、最初から最後まで緊迫しています。ホラーでもなんでもないのにこの緊迫感。チャニング・テイタムは兄弟メダリストの弟マーク・シュルツを演じるのですが、選手としても指導者としても人間的にも優れた兄(マーク・ラファロ)を超えることができずに悶々。「マジック・マイク」ではストリッパー、「ホワイトハウスダウン」では軍人、など、その体格と運動神経の良さを活かした出演の多い俳優さんですが、今回の鬱屈した演技も素晴らしい。
ジョン・デュポンを演じたのはスティーヴ・カレル。ひたすらコワい。言葉は多くないけどコワいんです。なんとコメディアン。もっとコワい。
一番感嘆したのは兄のデイヴ・シュルツを演じたマーク・ラファロ。「アベンジャーズ」でハルク演じてましたよね?「キッズ・オールライト」でレズビアンカップルのジュリアン・ムーアといい仲になってましたよね?立ち方、歩き方、ハゲ方、モロモロの作り込みがすごい。天才的にレスリングがうまい選手そのものに見えました。絶対、「はじまりのうた」も観ようと心に決めました。
レスリングが、パワーだけでは勝てない奥深いスポーツであることも知りました。メダリストになっても、スポーツだけで身を立てるのはほんとに大変であることも。
いやー見ごたえあります。
シエサポ会の吉木さんの解説をどうぞ!
http://ciema.info/index.php?itemid=3795
Posted by ぽてち.
at 2015年05月18日17:28
| Comment(0)
「おやすみなさいを言いたくて」
(c) paradox/newgrange pictures/zentropa international sweden 2013 PHOTO (c) Paradox/Terje Bringeda
名女優ジュリエット・ビノシュが、報道写真家であるレベッカ役を演じます。冒頭、自爆テロ犯である女性たちを激写するレベッカは、爆発に巻き込まれ生死の境をさまよいます。この事件を契機に、夫マーカスがブチ切れ、レベッカは、自分を待っている家族がさいなまれ続けてきた死の恐怖を知ります。
レベッカが撮影した写真に、コンゴの内戦で傷を受けた子どもが出てきます。小説「ジェノサイド」(高野和明著)もコンゴ内戦を描いたものですが、読むだけでも想像を絶する壮絶さです。
そんな危険な場所へ、なぜ、家族を置いて自分の命を賭けてまで赴くのか。レベッカのような人が家族にいれば、その強すぎる使命感を食傷気味だと感じるのではないか、安全な街でおいしい食事を摂ることのできる自分には、戦場で行われていることへの怒りは、頭では分かっても完全には理解できないのではないか、そう思いました…。レベッカ、夫のマーカス、娘のステフとリサ。それぞれの役に感情を投影できる映画かもしれません。
「伝えなければ変わらない」「だから伝える人が必要だ」とステフが、母の仕事を理解するシーンが出てきます。報道写真家としては嬉しいことでしょうけど、母親の存在は諦めると宣告されているようにも聞こえました。また、ラストもとてもいいです。ゆるい邦題からは想像もつかない考えさえる良質の映画でした。
ステフ役のローリン・キャニーもいい女優になるだろうなー。
シエマで、3月20日(金)まで。
【ストーリー】(シエマHPより)
アフガニスタンの首都カブール。ある場所で厳粛な儀式を行っている女たち。その傍らでは、取材のためなら命すら惜しまない報道写真家レベッカが、彼女たちの行動を一部始終撮影している。女たちは自爆テロ犯だ。さらに真実へと迫るためレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は、女たちに同行するが、爆発に巻き込まれ危うく命を落としかける。
家族が待つアイルランドへ帰ると、夫マーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)から思いもよらないことを告げられる。「もう無理だ」と。世界有数の写真エージェンシーと契約し、常に死と隣り合わせになりながらもアフガニスタン、コンゴなど紛争地帯へと赴き、トップクラスの報道写真家として仕事に邁進してきたレベッカ。それは、理解ある夫、しっかり者の長女ステフ、天真爛漫な次女リサたち家族のおかげだった。一緒に日常生活を送れなくても、すべて上手くいっていると思っていた。だがマーカスはひと時も気の休まらない生活に疲れ、娘たちは母の死に怯えて暮らしていた。特に思春期のステフは、自分の世界に引きこもり母の入る余地がない。
家族の幸せのために、「もう戦地には戻らない」とマーカスと約束するレベッカ。仕事を優先するあまり、娘の誕生日すら一緒に祝えず、まともにキッチンすら立つことのなかった彼女は、取材の依頼を断り家族との時間を取り戻そうとする。しかし一方で、名誉や報酬ではない使命を帯びた報道写真家という職業への情熱を捨て去ることができない。自分の写真には世界を少しでも変える力があることを確信しているから。その思いが決意を揺るがし続け、母として妻としての普通の生活を送ることを困難にさせていく。家族への「愛」と引き換えにしていい「使命」などないと知りながらも、必要とされる紛争地帯へと心は向かっていく。
そんな時、ケニアの難民キャンプを撮影するという仕事のオファーが舞い込む。難色を示すレベッカを余所に、高校の課題に役立てたいステフ(ローリン・キャニー)は母とともにケニア行きを熱望する。安全が約束されているということもあり、マーカスも二人のケニア行きを許してしまう。だが、そこでレベッカは取り返しのつかないことをしてしまう。壊れゆく家族と必死に向き合おうとするうち、大切なことに気づいていくレベッカ。使命ある仕事か、愛する家族か、悩み続けた末にレベッカが選んだのは…。
Posted by ぽてち.
at 2015年03月12日12:55
| Comment(2)
「百円の恋」
(C)2014東映ビデオ
シエマ会員の特典の一つは、月1回、シエマレターが送られてくること。
毎月、映画、ライブ、カフェ案内を熟読するのを楽しみにしております。
今回の映画案内で、シエマ支配人が「ぜひぜひぜひ!」とイチオシしていたのが「百円の恋」でした。
安藤サクラさんほど、映画ごとに表情もたたずまいもガラリと変わる女優はいないように思います。「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で演じただらしない女子を観たあとに、資生堂TSUBAKIのCMにも出演していたことを知って驚愕しました(すいません)。
この「百円の恋」では、元引きこもりで、ボクシングにのめりむ32歳の一子(いちこ)を演じます。のめりこむまでには修羅場がいろいろあるのですが、パンチを磨き、フットワーク軽くダッシュを繰り返す間に、どんどん体が絞れてきて、ボクサーのようになっていく安藤サクラさんの姿に圧倒されます。一子の通うボクシングジムの壁には、「Hungry/Angry」とあります。練習に没頭する一子の後ろに浮かび上がるその文字は、「私、100円の価値しかないんです」と言い放つ一子には、とても象徴的に見えました。
シエマ支配人、すすめてくれてありがとう!
安藤サクラさん、ちょーかっこいい。必見です!
http://ciema.info/index.php?itemid=3663
Posted by ぽてち.
at 2015年03月07日08:00
| Comment(4)
「誰よりも狙われた男」
(c)A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH (c) Kerry Brown
名優フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作。
昨年、46歳で早逝しました。
「ザ・マスター」での存在感が鮮烈でしたが、この作品もさすがです。
ドイツのテロ対策チームのトップとして、追い続けてきた黒幕を仕留めるべく権謀術数を繰り広げます。ドンパチも激しいアクションもありません。画面を包むのはひたすら緊迫感のみ。ストレスと疲労が、尋常でない酒とたばこの量に反映されていきます。テロが珍しくないこんなご時世だからこそ、なおさら目が離せませんでした。
ホフマンとこの映画の魅力を知るには、吉木さんのシエマブログがわかりやすいです。ぜひどうぞ。
http://ciema.info/index.php?itemid=3718
嗚呼、上映日があと1日になってしまいました。
すいません。
シエマで3月6日(金)まで!
http://ciema.info/index.php?itemid=3648
Posted by ぽてち.
at 2015年03月05日22:02
| Comment(0)
「ストックホルムでワルツを」
スウェーデンの実在のジャズ歌手モニカ・ゼタールンドの半生を描いた作品。
恥ずかしながら、この人のことを映画を見るまで知りませんでした。映画のなかの女優さんが本人そっくりの美貌と歌声であることも。ジャズをスウェーデンの語で歌うっていいですね。ジャズはよくわかりませんが、「イ・ニューヨーク」なんかしびれました。全編に流れるジャズの名曲たちが心地よい。
波乱万丈の半生がテンポよく描かれているのも好感が持てました。
ビル・エヴァンスとの競演CD買いたいです。
シエマで絶賛上映中。
http://ciema.info/index.php?itemid=3644
恥ずかしながら、この人のことを映画を見るまで知りませんでした。映画のなかの女優さんが本人そっくりの美貌と歌声であることも。ジャズをスウェーデンの語で歌うっていいですね。ジャズはよくわかりませんが、「イ・ニューヨーク」なんかしびれました。全編に流れるジャズの名曲たちが心地よい。
波乱万丈の半生がテンポよく描かれているのも好感が持てました。
ビル・エヴァンスとの競演CD買いたいです。
シエマで絶賛上映中。
http://ciema.info/index.php?itemid=3644
Posted by ぽてち.
at 2015年02月18日23:40
| Comment(5)
ちょっと難しいけど、こころが暖まりました。0.5ミリ
タイトルの「0.5ミリ」がどういう意味なのかまったくわからないまま、ロードムービーのように場面が移っていきました。
答えは、後半。津川雅彦扮する先生が、サワに残したカセットテープの言葉の中にありました。先生が、痴呆症になり、インタビューに答えているつもりで海軍での思い出話を繰り返す長い長いシーンの意図するところは、残念ながら凡庸な私には理解できませんでしたが、196分という長い映画になってでも力を入れたかったシーンだったんだろうなという思いで見ていました。
老人を脅すようにして家に押しかけ、最初は嫌がられ、訝しがられながらも、だんだんと老人のこころの支えになっていくサワ。カラオケボックスの老人、アホの坂田、先生、それぞれのふれあいにこころがあったかくなりました。
最後は、老人ではなく、性同一性障害?の男の子。
「一人ひとりが0.5ミリずつ進めば」。サワと真の「今はいい距離」。そんなセリフがキーワードでしょうか。
(以下、シエマHP)
「カケラ」の安藤桃子監督が自身の書き下ろし処女小説を基に、実妹・安藤サクラ扮するハードボイルドなヒロインを主人公に描く異色の人情ドラマ。事件に巻き込まれて一文無しとなった介護ヘルパーが、様々なワケあり老人をターゲットに“おしかけヘルパー”をして食いつないでいくバイタリティあふれる生き様を、介護を巡る社会問題を織り込みつつヒロインと老人たちとの心の触れあいとともに綴る。共演に柄本明、坂田利夫、草笛光子、津川雅彦。
天涯孤独な介護ヘルパー山岸サワは、派遣先の家で思わぬトラブルに巻き込まれ仕事をクビになってしまう。いきなり住むところを失い、おまけに一文無しで途方に暮れるサワ。しかし、カラオケ店の受付でまごつく老人を見つけるや、強引に同室となって楽しく一夜を過ごす。その次に出会ったのは、駐輪場の自転車を次々とパンクさせている老人、茂。サワは優しく声を掛けつつ無理やり家に上がり込むと、得意のヘルパー仕事で世話を焼き始める。最初は警戒していた茂もプロの技に癒され、いつしか心を開いていく。その後も行く先々で老人の弱みを握っては、生きるために“おしかけヘルパー”をしていくサワだったが…。
Posted by シロクロアリス.
at 2015年02月06日22:49
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どんでん返しに「えっ!」 プロミスト・ランド
写真はスティーブが体育館で説明する場面。この場面は2回あります。1回目は、ガスの採掘に問題提起する教師に自信満々で反論に立つ場面(結果はよくありませんが)、2回目はラストシーンで環境を守るべきだと語る場面。
この1回目から2回目への変化をもたらすできごとの中に、大どんでん返しが。
自分の会社の力や地主に支払われるおカネの影響力に何の疑いも持たず、失敗することの想定もないスティーブ。次々に契約を勝ち取り、駆け引きにも動じず、部長への昇進も果たします。
そんな順風満帆な彼に立ちはだかったのが科学教師。そして、ガスの採掘は住民による投票で決しようという流れに。そんな中、町に現れた環境団体アテナの男。ガス採掘の影響で牛が死んだという写真を見せ、反対勢力を増やしていきます。
賛成派の取り込みのために計画したお祭りも豪雨で台無し。負けを覚悟したときに会社から届いた資料。その資料には牛の写真の秘密が。一発逆転を確信。
なのに、なぜ、2回目のシーンで環境を守るべきと語るようになったのか?
このどんでん返しだけでなく、科学教師夫妻の考えやひととなり、バーで知り合ったアリスのふるさとを思う気持ち、そういうものがだんだんとスティーブを動かし始めていたんだと思います。
(以下、シエマHP)
ベン・アフレックと共同で執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)の脚本でアカデミー賞Rを受賞し、俳優としてもスターの階段を駆け上がることになったマット・デイモン。
同じく『グッド・ウィル・ハンティング』でアカデミー賞監督賞候補になり、『エレファント』(03)や『ミルク』(08) など数々の名作を生み出してきたガス・ヴァン・サント。
この17年、アメリカ映画界を牽引してきた2人が、脚本家兼主演と監督として三度目のタッグを組み、世界をあっと言わせる問題作を作り上げた。
大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴ(マット・デイモン)は、マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーのスー(フランシス・マクドーマンド)とともにやってくる。
マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから、相場より安く採掘権を買い占めるためだった。
スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられたが、予期せぬ障害に行く手を阻まれる。
採掘に反対する科学教師(ハル・ホルブルック)と環境活動家(ジョン・クラシンスキー)が現れ町の人々を説得、採掘の賛否は住民投票によって決められることになった。
さらにスティーヴは仕事への信念と情熱を根本から揺るがすような、衝撃の真実を知ることになり・・・。
ふと訪れた町で、図らずも自分の生き方を見つめ直す必要に迫られるスティーヴ。果たして彼はどんな決断を下すのか?
Posted by シロクロアリス.
at 2014年11月21日12:18
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単調な日々をどう考える? 「リスボンに誘われて」
ほぼ同じことを繰り返す単調な日々の暮らしに対する自問、むなしさ、あきらめ。ほとんどの人がときどきは考えるのではないでしょうか。
そんなとき、突然、日常の静かな湖面に石が投げられたら・・・。
妻と離婚し、朝まで一人でチェスをして、家と職場の学校とを往復するという毎日を過ごすライムント。
ある日、通勤の途中で川へ飛び降り自殺をしようとしている女性に遭遇。その女性を伴って教室に入り授業を始めると、彼女が突然教室を出て行きました。
あとに残された彼女の赤いコートを持って学校を出ると、そのポケットに1冊の本が。そしてその本の中に、リスボン行き夜行列車の切符。彼女がいるのではないかと駅に急ぐライムント。しかし彼女は見つからず、その夜行列車が動き出します。とっさに列車に飛び乗り、着の身着のままでリスボンへ。ところで、日本だとドアが閉まってから列車は動き出しますが、この列車は動き出してもドアが開いたままでした。映画ではこういうシーンをよく見ますが、ヨーロッパはそうなんですかね。今年行ったオランダでは、閉まってから発車でしたけど。
車中、その本を読みふけるライムント。レジスタンス活動をし、若くして亡くなった医師アマデウが自らの人生観を書いた文章を、その妹が100冊だけ出版した本です。その内容に共感し、リスボンで著者の人生を辿るライムント。
アマデウの人生は、父親との葛藤、レジスタンス運動への傾倒、その活動で知り合った女性への激しい恋とそれによる親友との決別、女性との別れ、そして死。その波乱万丈な人生と「たいくつな」自分を比較するライムント。
そんなライムント
がスイスへ帰る列車に乗り込もうとするとき、リスボンで知り合った女性のひとことが・・・。
一つ目の石は「本」。二つ目はこの女性のことば。彼の湖面に投げられた2つめの石はどういう波紋を描くのでしょう。
14日まで上映です。シエマへGO!
(以下、シエマHPより)
パスカル・メルシエの世界的ベストセラー『リスボンへの夜行列車』を「ペレ」「愛の風景」の名匠ビレ・アウグスト監督が映画化したミステリー・ドラマ。
退屈な人生を送る高校教師が、一冊の本との偶然の出会いをきっかけに、作者の素顔を探るべくリスボンの街を旅するさまと、
主人公が解き明かしていく作者の波乱の人生を哀愁あふれる筆致で綴る。
主演は「運命の逆転」のジェレミー・アイアンズ、共演にジャック・ヒューストン、メラニー・ロラン。
スイスの高校で古典文献学を教える教師ライムント・グレゴリウス。5年前に離婚して以来、
孤独で単調な毎日を送っていた。ある日彼は、橋から飛び降りようとする女性を助ける。
しかし彼女はすぐに行方をくらまし、ライムントは彼女が残した本に挟まれていたリスボン行きの切符を届けようと駅へ向かう。
しかし女性の姿はなく、ライムントは衝動的に夜行列車に飛び乗ってしまう。
そして車中でその本を読み心奪われたライムントは、リスボンに到着するや作者アマデウを訪ねる。
しかし、アマデウは若くして亡くなっていた。やがて彼を知る人々を訪ね歩くライムントは、
独裁政権下のポルトガルで反体制運動と情熱的な恋に揺れたアマデウの濃密な人生を明らかにしていくのだったが…。
そんなとき、突然、日常の静かな湖面に石が投げられたら・・・。
妻と離婚し、朝まで一人でチェスをして、家と職場の学校とを往復するという毎日を過ごすライムント。
ある日、通勤の途中で川へ飛び降り自殺をしようとしている女性に遭遇。その女性を伴って教室に入り授業を始めると、彼女が突然教室を出て行きました。
あとに残された彼女の赤いコートを持って学校を出ると、そのポケットに1冊の本が。そしてその本の中に、リスボン行き夜行列車の切符。彼女がいるのではないかと駅に急ぐライムント。しかし彼女は見つからず、その夜行列車が動き出します。とっさに列車に飛び乗り、着の身着のままでリスボンへ。ところで、日本だとドアが閉まってから列車は動き出しますが、この列車は動き出してもドアが開いたままでした。映画ではこういうシーンをよく見ますが、ヨーロッパはそうなんですかね。今年行ったオランダでは、閉まってから発車でしたけど。
車中、その本を読みふけるライムント。レジスタンス活動をし、若くして亡くなった医師アマデウが自らの人生観を書いた文章を、その妹が100冊だけ出版した本です。その内容に共感し、リスボンで著者の人生を辿るライムント。
アマデウの人生は、父親との葛藤、レジスタンス運動への傾倒、その活動で知り合った女性への激しい恋とそれによる親友との決別、女性との別れ、そして死。その波乱万丈な人生と「たいくつな」自分を比較するライムント。
そんなライムント
がスイスへ帰る列車に乗り込もうとするとき、リスボンで知り合った女性のひとことが・・・。
一つ目の石は「本」。二つ目はこの女性のことば。彼の湖面に投げられた2つめの石はどういう波紋を描くのでしょう。
14日まで上映です。シエマへGO!
(以下、シエマHPより)
パスカル・メルシエの世界的ベストセラー『リスボンへの夜行列車』を「ペレ」「愛の風景」の名匠ビレ・アウグスト監督が映画化したミステリー・ドラマ。
退屈な人生を送る高校教師が、一冊の本との偶然の出会いをきっかけに、作者の素顔を探るべくリスボンの街を旅するさまと、
主人公が解き明かしていく作者の波乱の人生を哀愁あふれる筆致で綴る。
主演は「運命の逆転」のジェレミー・アイアンズ、共演にジャック・ヒューストン、メラニー・ロラン。
スイスの高校で古典文献学を教える教師ライムント・グレゴリウス。5年前に離婚して以来、
孤独で単調な毎日を送っていた。ある日彼は、橋から飛び降りようとする女性を助ける。
しかし彼女はすぐに行方をくらまし、ライムントは彼女が残した本に挟まれていたリスボン行きの切符を届けようと駅へ向かう。
しかし女性の姿はなく、ライムントは衝動的に夜行列車に飛び乗ってしまう。
そして車中でその本を読み心奪われたライムントは、リスボンに到着するや作者アマデウを訪ねる。
しかし、アマデウは若くして亡くなっていた。やがて彼を知る人々を訪ね歩くライムントは、
独裁政権下のポルトガルで反体制運動と情熱的な恋に揺れたアマデウの濃密な人生を明らかにしていくのだったが…。
Posted by シロクロアリス.
at 2014年11月05日12:51
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9月30日の記事
あまりにもご無沙汰なので、「マディソン郡の橋」
最近、シエマにご無沙汰です。というか、ほかの映画館にも足が遠のいているのですが。正直、最近「これは」という映画がなくて。
しかし、このブログもあまりにも間が空きすぎて、「スポンサーサイト」が出てしまいました。そのうち自動的に閉鎖なんてことになると困るので、TVで観た映画で失礼します。
ケーブルテレビなので、観ようと思えば一日中、洋画も邦画も観ることができます。番組表で観ようと決めて観る映画もあれば、チャンネルを回していて偶然始まったばかりで観ようと思う映画もあります。
後者で最近観たのが、「マディソン郡の橋」。かなり昔に評判になったことは覚えていましたし、主演がクリントイーストウッドということ、大人の刹那的な恋愛映画というくらいの記憶はありました。
内容はみなさんご存じかなと思いますので、ストリーに関係ない単純な感想だけ。フランチェスカ役のメリルストリープがきれいでした。ぱっと見た感じでは、マンマ・ミーアとそんなに変わらないのですが、いい色気がありました。
プラダを着た悪魔、マンマ・ミーアなど、それぞれ魅力があって、いい女優さんですよね。
ちなみに、クリントイーストウッドは、昔からずーっと変わっていません(笑)
最近、シエマにご無沙汰です。というか、ほかの映画館にも足が遠のいているのですが。正直、最近「これは」という映画がなくて。
しかし、このブログもあまりにも間が空きすぎて、「スポンサーサイト」が出てしまいました。そのうち自動的に閉鎖なんてことになると困るので、TVで観た映画で失礼します。
ケーブルテレビなので、観ようと思えば一日中、洋画も邦画も観ることができます。番組表で観ようと決めて観る映画もあれば、チャンネルを回していて偶然始まったばかりで観ようと思う映画もあります。
後者で最近観たのが、「マディソン郡の橋」。かなり昔に評判になったことは覚えていましたし、主演がクリントイーストウッドということ、大人の刹那的な恋愛映画というくらいの記憶はありました。
内容はみなさんご存じかなと思いますので、ストリーに関係ない単純な感想だけ。フランチェスカ役のメリルストリープがきれいでした。ぱっと見た感じでは、マンマ・ミーアとそんなに変わらないのですが、いい色気がありました。
プラダを着た悪魔、マンマ・ミーアなど、それぞれ魅力があって、いい女優さんですよね。
ちなみに、クリントイーストウッドは、昔からずーっと変わっていません(笑)
Posted by シロクロアリス.
at 2014年09月30日20:33
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中国の現実か。「罪の手ざわり」
4つの物語がリンクしていたのか、していなかったのか、そこは正直よくわかりませんでした。もう一度見たらわかるかな。
でも、どの事件もショッキングで、シエマHPによれば実際のできごとをモチーフにしているそうなので、これが中国の現実なのかな、そうだとしたら中国は法の支配の及ばない地域がまだたくさんあるんだ、やはり12億の人口やあの広い国土は簡単には治めることはできないんだと、こどもみたいなことを思ってしまいました。
日本もかつてはこんな時代があったのでしょうが、生きている時代しか直接は感じ得ない訳で、ときどき旅行に行ったり、ニュースで何かしら分かったつもりでいる隣の国の現状は、想像を超えているのかも知れませんね。
個人の罪というより、国の罪を感じました。
ちなみに、今日、金曜日18:40開演でしたが、私のほかは1人だけでした。ちょっとさびしいですね。シエマに行きましょう。
(以下、シエマHP)
「プラットホーム」「長江哀歌」の鬼才ジャ・ジャンクー監督が、これまで同様に急速に変貌していく中国が抱える社会問題を背景にしつつ、武侠映画の要素を採り入れるなど新境地にも挑んで撮り上げた衝撃の群像ドラマ。実在する4つの事件をモチーフに、拡大する貧富の格差が引き起こした悲劇の深層を、それぞれのエピソードを巧みに織り込んだストーリーと迫力のバイオレンス演出で力強く描き出していく。
山西省に暮らす炭鉱夫のダーハイ。村の共同所有だった炭鉱の利益が、同級生の実業家ジャオと村長によって不当に独占されていることに激しい怒りを募らせる。重慶に妻子を残し、村を出た男チョウ。出稼ぎと偽り、各地で強盗を繰り返していた。妻は、夫が単なる出稼ぎに行っているのではないと感づいてしまう。湖北省で風俗サウナの受付係をしているシャオユー。ある日、非常識な客に札束で殴られセックスを強要される。広東省の縫製工場で働く青年シャオホイは、勤務中に同僚を怪我させてしまい金銭的に追い詰められていく。そんな中、ナイトクラブのダンサー、リェンロンと出会い、心惹かれていく…。厳しい現実の中で、それぞれにひたむきに日々を生きてきたはずの彼らだったが、はたしてその先にはいかなる運命が待ち受けていたのか?
でも、どの事件もショッキングで、シエマHPによれば実際のできごとをモチーフにしているそうなので、これが中国の現実なのかな、そうだとしたら中国は法の支配の及ばない地域がまだたくさんあるんだ、やはり12億の人口やあの広い国土は簡単には治めることはできないんだと、こどもみたいなことを思ってしまいました。
日本もかつてはこんな時代があったのでしょうが、生きている時代しか直接は感じ得ない訳で、ときどき旅行に行ったり、ニュースで何かしら分かったつもりでいる隣の国の現状は、想像を超えているのかも知れませんね。
個人の罪というより、国の罪を感じました。
ちなみに、今日、金曜日18:40開演でしたが、私のほかは1人だけでした。ちょっとさびしいですね。シエマに行きましょう。
(以下、シエマHP)
「プラットホーム」「長江哀歌」の鬼才ジャ・ジャンクー監督が、これまで同様に急速に変貌していく中国が抱える社会問題を背景にしつつ、武侠映画の要素を採り入れるなど新境地にも挑んで撮り上げた衝撃の群像ドラマ。実在する4つの事件をモチーフに、拡大する貧富の格差が引き起こした悲劇の深層を、それぞれのエピソードを巧みに織り込んだストーリーと迫力のバイオレンス演出で力強く描き出していく。
山西省に暮らす炭鉱夫のダーハイ。村の共同所有だった炭鉱の利益が、同級生の実業家ジャオと村長によって不当に独占されていることに激しい怒りを募らせる。重慶に妻子を残し、村を出た男チョウ。出稼ぎと偽り、各地で強盗を繰り返していた。妻は、夫が単なる出稼ぎに行っているのではないと感づいてしまう。湖北省で風俗サウナの受付係をしているシャオユー。ある日、非常識な客に札束で殴られセックスを強要される。広東省の縫製工場で働く青年シャオホイは、勤務中に同僚を怪我させてしまい金銭的に追い詰められていく。そんな中、ナイトクラブのダンサー、リェンロンと出会い、心惹かれていく…。厳しい現実の中で、それぞれにひたむきに日々を生きてきたはずの彼らだったが、はたしてその先にはいかなる運命が待ち受けていたのか?
Posted by シロクロアリス.
at 2014年08月08日22:41
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ちょっと?な映画でした。「ときめきに死す」
シネクラ4本目は、ジュリーの「ときめきに死す」。
ジュリー世代として見ておこうと思い、どういう映画なのか予備知識なしで、いざシエマへ。平日17:50にしては、まあまあのお客さんでした。やっぱり、ジュリーが気になった感じの年齢層。
ジュリーは、宗教団体のトップを暗殺する刺客という役で、決行日までの隠れ家での生活がほとんどの時間。杉浦直樹扮する元医者のお世話役とのかみ合わない会話、後半登場する樋口加南子との3人生活も何か変。
ジュリーは、体を鍛えるため、毎朝山中を駆け回り、部屋でナイフを刺す訓練をしていたので、暗殺はさぞやみごとに成し遂げるんだろうと思いきや、簡単に取り押さえられてしまいました。
保険に準備していたスナイパーがことを成し遂げますが、こんなに簡単に狙撃できるなら、ナイフの刺客はいりませんよね。
そして、パトカーの中で、ジュリーは、・・・。壮絶なラストシーンでした。写真の女性は若き日の樋口加南子です。
何を書いていいのかなかなか
思いつかない映画でした(笑)
(以下、シエマHPより)
宇多丸さんコメント:思わず引き込まれる超スタイリッシュなオープニングから、トラウマ必至!の衝撃的エンディングまで、とにかくひたすら低体温で、滑稽で、でもどこか不吉な「空気」が支配する、モリタ映画随一のカルト作! 「全然カッコ良くないジュリー」の(今で言う)オタク的なキャラクター造型など、時代先取り要素も満載。塩村修の音楽も最高にクール!
ジュリー世代として見ておこうと思い、どういう映画なのか予備知識なしで、いざシエマへ。平日17:50にしては、まあまあのお客さんでした。やっぱり、ジュリーが気になった感じの年齢層。
ジュリーは、宗教団体のトップを暗殺する刺客という役で、決行日までの隠れ家での生活がほとんどの時間。杉浦直樹扮する元医者のお世話役とのかみ合わない会話、後半登場する樋口加南子との3人生活も何か変。
ジュリーは、体を鍛えるため、毎朝山中を駆け回り、部屋でナイフを刺す訓練をしていたので、暗殺はさぞやみごとに成し遂げるんだろうと思いきや、簡単に取り押さえられてしまいました。
保険に準備していたスナイパーがことを成し遂げますが、こんなに簡単に狙撃できるなら、ナイフの刺客はいりませんよね。
そして、パトカーの中で、ジュリーは、・・・。壮絶なラストシーンでした。写真の女性は若き日の樋口加南子です。
何を書いていいのかなかなか
思いつかない映画でした(笑)
(以下、シエマHPより)
宇多丸さんコメント:思わず引き込まれる超スタイリッシュなオープニングから、トラウマ必至!の衝撃的エンディングまで、とにかくひたすら低体温で、滑稽で、でもどこか不吉な「空気」が支配する、モリタ映画随一のカルト作! 「全然カッコ良くないジュリー」の(今で言う)オタク的なキャラクター造型など、時代先取り要素も満載。塩村修の音楽も最高にクール!
Posted by シロクロアリス.
at 2014年07月22日17:48
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捨てがたき人々
「人はなぜ生まれてくるのか、なんのために生きるのか、そしてなぜ死ぬのか。」
ちょっと正確ではないが、映画の冒頭とラストに、大森南朋がつぶやくセリフ。
自分も思春期によく思った。今でもときどき思うけど。
勇介と京子のこどもが母を責めて言う、「僕、普通の家に生まれたかった。なんで、産んだんだ。こんな命、いつでも返してやる」ということばがつらく、京子が返す「愛しているのよ」の一言も切なかった。
太宰の桜桃の「子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。」も思い起こしました。
(以下、シエマHP)
人間の善悪やモラルを問う作品を多数発表しているジョージ秋山の同名漫画を、大森南朋主演で実写映画化。金も仕事もなくセックスのことばかり考えている狸穴勇介が、苦悩しながら生きる意義、愛や幸せを見つけ出そうともがく姿を通して、人間の業を描き出していく。生きることに飽きてしまった勇介は故郷へ戻り、そこで顔にあざのある女性・岡辺京子と出会う。快楽を求める勇介は京子と関係をもち、そのままなし崩し的に同棲を始めるが……。俳優としても活躍し、「ぼくのおばあちゃん」「誘拐ラプソディー」といった監督作も発表している榊英雄がメガホンをとった。
ちょっと正確ではないが、映画の冒頭とラストに、大森南朋がつぶやくセリフ。
自分も思春期によく思った。今でもときどき思うけど。
勇介と京子のこどもが母を責めて言う、「僕、普通の家に生まれたかった。なんで、産んだんだ。こんな命、いつでも返してやる」ということばがつらく、京子が返す「愛しているのよ」の一言も切なかった。
太宰の桜桃の「子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。」も思い起こしました。
(以下、シエマHP)
人間の善悪やモラルを問う作品を多数発表しているジョージ秋山の同名漫画を、大森南朋主演で実写映画化。金も仕事もなくセックスのことばかり考えている狸穴勇介が、苦悩しながら生きる意義、愛や幸せを見つけ出そうともがく姿を通して、人間の業を描き出していく。生きることに飽きてしまった勇介は故郷へ戻り、そこで顔にあざのある女性・岡辺京子と出会う。快楽を求める勇介は京子と関係をもち、そのままなし崩し的に同棲を始めるが……。俳優としても活躍し、「ぼくのおばあちゃん」「誘拐ラプソディー」といった監督作も発表している榊英雄がメガホンをとった。
Posted by シロクロアリス.
at 2014年07月15日12:07
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「の・ようなもの」って、それではないってことですよね。
封切当時評判になった記憶があって、ずっと一度観てみたいと思っていた映画の一つでした。
感想を一言でいうと、「うーん、よくわからない」。どんな映画だった?と聞かれて、「落語家を目指す若者のある一時期を描いた、まあ、青春映画かな」って答えてしまいました。「Aのようなもの」というと、それは「Aではない」訳ですが、この映画のAは何だったんでしょう。
秋吉久美子はきれいでしたね。そのほか、尾藤イサオ、でんでん、ラビット関根、小堺一畿、楽太郎の若いときが見られたのはよかったですが、みんな、決してうまい演技ではなかったですね(笑)
団地限定のケーブルテレビを使った、女子高落研の生徒のCMやお天気予想大会がアイデアとして面白いのと、あのころの高層団地の人口の多さに隔世の感を覚えました。
しかし、主人公の志ん魚(とと)役の俳優さん、役づくりだったのかどうかわかりませんが、落語はもちろん、全編にわたって下手だったなー(笑)
(以下、シエマHP)
宇多丸さんコメント:自主制作映画界の奇才として知られていた若き森田芳光が、ほとんどバクチ同然のやり方で、いきなり劇場用長編を撮り上げてしまった! 「落語と出会ったゴダールがなぜかアイビールックでキメている」みたいなこの奇妙なデビュー作は、しかしその後、モリタ作品のなかでも群を抜いた人気を誇る、青春映画のエヴァーグリーンとなっていったのでした。
Posted by シロクロアリス.
at 2014年06月30日12:15
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男にしかわからないかも知れない。「竜二」
シネクラの「竜二」を観ました。
1時間半くらいで長い映画ではなかったのですが、もっと短く感じました。
観終わったときの感想は、「分かる!」。ラストシーンで、竜二の左目の下にうっすら光る涙、それを見て子どもに「おばあちゃんのところに帰ろうか」という妻。
やくざをしていて起こした暴行事件の保釈金を工面するために妻と娘が妻の実家に帰ってしまい、その後賭博場のもうけで金回りはよくなるものの、次第にやくざやカネより家庭での穏やかな生活を望むようになる竜二。
酒屋に就職し、毎日まっすぐ家に帰り妻と娘との楽しい時間が流れていく。
そんな中、かつての友人からカネがいるんだと泣きつかれてもあげられるのは数千円、家に帰れば妻は「野菜が高くて困る」と言いながら家計簿をつけているというような出来事が続く。
そしてついに、竜二は酒屋店主の何気ない言葉をきっかけで仕事をやめ、街を歩いていると、目の前には大安売りの行列に並んでいる妻と娘。そこが冒頭のラストシーン。
そして、竜二は、またやくざに。
竜二のこころのうつろいは、映画の奥さんはわかっていたけど、なかなか女性にはわからないかも知れないなと思いながらシエマを後にしました。
ショーケン(萩原健一)の歌うララバイ、劇中で流れる百恵ちゃんのプレイバックPart2。時代を感じました。
(以下、シエマHP)
伊賀大介さんが選ぶ!
『映画館で観たい邦画』
伊賀さんコメント:男とは何か!?を知る上で、必ず観なければならない一本。俳優、故・金子正次が文字通り命懸けで撮った「男が男に憧れる」ヤクザ・ニューシネマ!!竜二の笑顔にヤられる、眩しいタイトルバックと、桜金造さんのイイ顔をスクリーンで観れるだけでお釣りが来ますが、皆揃って映画館で伝説の口上と「ララバイ」聴きゃあ(ショーケン!)、死んだアイツも喜ぶってモンよ!!!全日空で駆けつけろ!!!
〈解説〉やくざの世界から足を洗い、家族のために生きようとする男、竜二。暴力描写を用いることなく、やくざものの男の生き様にドラマを見出した、他とは一線を画すやくざ映画。脚本と主演をつとめた金子正次は映画公開中に33歳の若さで死去。
1時間半くらいで長い映画ではなかったのですが、もっと短く感じました。
観終わったときの感想は、「分かる!」。ラストシーンで、竜二の左目の下にうっすら光る涙、それを見て子どもに「おばあちゃんのところに帰ろうか」という妻。
やくざをしていて起こした暴行事件の保釈金を工面するために妻と娘が妻の実家に帰ってしまい、その後賭博場のもうけで金回りはよくなるものの、次第にやくざやカネより家庭での穏やかな生活を望むようになる竜二。
酒屋に就職し、毎日まっすぐ家に帰り妻と娘との楽しい時間が流れていく。
そんな中、かつての友人からカネがいるんだと泣きつかれてもあげられるのは数千円、家に帰れば妻は「野菜が高くて困る」と言いながら家計簿をつけているというような出来事が続く。
そしてついに、竜二は酒屋店主の何気ない言葉をきっかけで仕事をやめ、街を歩いていると、目の前には大安売りの行列に並んでいる妻と娘。そこが冒頭のラストシーン。
そして、竜二は、またやくざに。
竜二のこころのうつろいは、映画の奥さんはわかっていたけど、なかなか女性にはわからないかも知れないなと思いながらシエマを後にしました。
ショーケン(萩原健一)の歌うララバイ、劇中で流れる百恵ちゃんのプレイバックPart2。時代を感じました。
(以下、シエマHP)
伊賀大介さんが選ぶ!
『映画館で観たい邦画』
伊賀さんコメント:男とは何か!?を知る上で、必ず観なければならない一本。俳優、故・金子正次が文字通り命懸けで撮った「男が男に憧れる」ヤクザ・ニューシネマ!!竜二の笑顔にヤられる、眩しいタイトルバックと、桜金造さんのイイ顔をスクリーンで観れるだけでお釣りが来ますが、皆揃って映画館で伝説の口上と「ララバイ」聴きゃあ(ショーケン!)、死んだアイツも喜ぶってモンよ!!!全日空で駆けつけろ!!!
〈解説〉やくざの世界から足を洗い、家族のために生きようとする男、竜二。暴力描写を用いることなく、やくざものの男の生き様にドラマを見出した、他とは一線を画すやくざ映画。脚本と主演をつとめた金子正次は映画公開中に33歳の若さで死去。
Posted by シロクロアリス.
at 2014年06月26日12:39
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「そこのみにて光輝く」 悲しいけど、いい映画でした。
悲しい映画だった。でも、確かに、そこにだけはあたたかで、希望を感じる光がさしていた。ラストシーン、千夏のそばに寄り添った二人の背中を遠くから照らす太陽がとてもきれいでした。
二つ、短いけど、すごくいいセリフがありました。その場面で、こころにすとんと落ちるいいセリフだったなー。
自分のまわりにはないけど、きっとそこらにいくらでも実在するんだろうなと思った絶望的な千夏の家庭。でも、家族の絆は強くて、それがまた悲しい。
ダイナマイトの発破作業中、自分の「急げ」という言葉で部下を事故で亡くし、それを引きずり、自暴自棄な日々を送る達夫。パチンコ屋で偶然知り合った、仮釈放中の拓児。友達のいない拓児に誘われ、拓児の家に遊びに行き、そこで姉の夏子と出会う。家族は、父母と姉弟。父親は脳溢血で寝たきりになって、家族を養うために、弟の身元保証人の愛人となり、店で体を売る夏子。
達夫が偶然入ったスナックが、夏子が体を売っている店。8000円という値に、思わず笑ってしまう達夫、それに怒る千夏。
そこから、二人の気持ちは近づいていき、ハッピーエンドかと思わせた直後、愛人から殴られて顔にあざをつくってきた姉を見て、拓児は夏祭りで酒を飲んでいた愛人を千枚通しで刺してしまう。
刺した後、逃げた拓児を自分のアパートの前で見つけた達夫。思わず殴りかかるが、そのこぶしは愛情で満たされていました。その後、達夫が拓児を抱きしめたシーン、よかったです。自転車の二人乗りで交番に自首しに行くシーンもジーンときましたね。
そして、夏子の家に急いで行ってみると、夏子と父親に異変が。そして、夏子は家の前の海へ、それを追いかける達夫。そこが、冒頭のラストシーンです。
綾野剛の寡黙な演技もよかったけど、千夏の池脇千鶴と拓児の菅田将暉がそれ以上によかったです。最高のキャスティングでした。そして、映画のタイトルは、全編終了後にさりげない文字で、セリフの一部のように。この演出もよかったです。
(以下、シエマHP)
2010年に映画化された「海炭市叙景」のヒットによってにわかに脚光を浴びている不遇の作家、佐藤泰志の同名小説を「夏の終り」「シャニダールの花」の綾野剛主演で映画化。閉塞感漂う北の町で無為で無気力な日々を送っていた主人公の運命が、社会の底辺で行き場を失った一組の姉弟との邂逅によって少しずつ動き出していく姿を切なくも優しい筆致で描き出す。共演は「ジョゼと虎と魚たち」の池脇千鶴と「共喰い」の菅田将暉。監督は「酒井家のしあわせ」「オカンの嫁入り」の呉美保。
短い北の夏。ある出来事をきっかけに仕事を辞めてしまい、無為な毎日を過ごす男、佐藤達夫。ある日、パチンコ屋でひとりの青年、大城拓児と知り合う。彼は前科者でチンピラ風情ながら無垢で憎めない奴だった。そんな拓児は海辺に建つ粗末なバラックに家族と暮らしていた。そこで拓児の姉、千夏と運命的な出会いを果たす達夫。しかし千夏は家族を守るために自らの人生を諦め、絶望の中に生きていた。
Posted by シロクロアリス.
at 2014年06月22日15:34
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