高地戦 ~敵と戦うのではなく、・・・

壮絶な戦いでした。
エアロKという領土争いの要となる高地をめぐる凄絶な争奪戦。30数回も奪い、奪われる中で、手紙やお礼の酒などをそこに埋めることで、お互いのコミュニケーションが生まれるのですが、最後は、停戦協定締結後、その発効までの現場の兵士を無視した12時間の戦闘命令でほとんどの兵士が死んでいきました。協定締結を喜び、偶然遭遇した敵との一瞬のこころの交流も冷徹な戦闘命令で、より険しい戦いになってしまいました。

埋めてあった手紙の中には、妹を頼むという敵の家族の写真が。そこに移っていた妹が気に入って、依頼を無視して写真の中の1枚を家族に送らないで自分の胸に入れて戦うスヒョク。でも、そのスヒョクを撃ったのは、「2秒」という呼び名がついたスナイパーになったその女性。「2秒」というのは、撃ち殺されて2秒後に発射音が聞こえる、つまり700メートルくらいのところから正確に射撃するということです。

ウンピョが着いた前線には、思いがけず若い隊長が。でも彼が隊長になった背景には、すさまじいまでの出来事がありました。そして、死んだと思っていたスヒョクは、仲間を守るためには、上官を殺すほど、現場の苦悩を抱えていました。

「我々は、敵と戦っているんじゃない。戦争と戦っているんだ」。劇中のこのセリフが心に染みました。高地戦 ~敵と戦うのではなく、・・・戦争の無意味さ、残酷さを改めて考えさせられる、いい映画でした。

戦争映画ですので、ちょっときつい画もありますが、お勧めです。

(シエマHP)
「映画は映画だ」「義兄弟 SECRET REUNION」のチャン・フン監督が、境界線の高地を巡って激烈な争奪戦が繰り返された南北戦争最後の戦いを描いた衝撃の戦争アクション。戦争の不条理に翻弄される南北兵士たちの無念と戦場の狂気を迫真の戦闘シーンとともに描き出す。主演は「マイ・ブラザー」「トンマッコルへようこそ」のシン・ハギュン、共演にコ・ス、イ・ジェフン。
 1953年。1950年6月に始まった朝鮮戦争は停戦協議が難航し、泥沼化していた。最前線では南北両軍が、いつやって来るかも分からない停戦の日を睨みつつ、境界線の高地を巡って、幾多の犠牲もいとわず互いに奪い合う地獄の高地戦が繰り広げられていた。ある日、その高地に韓国防諜隊中尉カン・ウンピョが送られることに。前線の部隊に人民軍の内通者がいるとの疑いが強まり、その調査を命じられたのだった。彼はそこですっかり変わり果て、冷徹な戦争マシンと化したかつての戦友キム・スヒョクと予期せぬ再会を果たすのだが…。



この記事へのコメント
シロクロアリスさん、やっと観ました。素晴らしかったです。絶望的な展開だらけで、戦争の残酷さを見せつける映画でした。撮影も凄まじかったのだろうな、と思いを馳せておりました。もっとたくさんの人に見てほしい映画です。
Posted by ぽてち at 2013年02月16日 21:53
そっちでもやっていたんですね。最近は、ダイハード、アウトロー、ゼロ・ダーク・サーティーと、109の方にばかり行ってます。シエマにも行かなければ。でも気になるのは、横道世之助と草原の椅子だしなー。
Posted by シロクロアリス at 2013年02月28日 19:00
「横道世之介」「草原の椅子」ともに観たいですね。
シエマなら「二郎は鮨の夢を見る」「塀の中のジュリアス・シーザー」を観たいです。佐賀シネマクラシックスも近づいてきましたね♪
Posted by ぽてち at 2013年03月01日 08:25
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