「この空の花 長岡花火物語」 鎮魂の花火と炸裂する大林節

「この空の花 長岡花火物語」 鎮魂の花火と炸裂する大林節
(C)2011 「長岡映画」製作委員会PSC

天草の地方紙の記者・遠藤玲子(松雪泰子)は、山古志出身の元恋人・片山(高島政宏)から、教え子の元木花(猪股南)が書いた『まだ戦争には間に合う』という舞台を見に来ないか、という手紙に惹かれて長岡を訪れる。玲子は、長岡の地元紙の記者、花火師などに出会いつつ、長岡の歴史を追体験する不思議な感覚にとらわれる。

すごい映画です。ナレーションしてると思った人がいきなりスクリーンの向こうから現れるし、会話している二人が一斉にこっち向くし、正直わけわかりませんが、気が付いたらどーっと涙腺が決壊していました。長岡の花火は、鎮魂の花火だったのか。戦争と中越地震、そして今度の東日本大震災。いろんな人の思いを乗せて、花火は夜空を照らします。

花火が上がったと思ったら、B29の爆撃の瞬間に引き込まれます。現実と異空間を行ったり来たりする不思議な感覚を生み出すのは、元木花さん役の猪股南さん。彼女は一輪車の世界大会で優勝したことのある超人的な乗り手です。彼女なしにはこの映画は成り立たないんでしょう。うーん、彼女の役も説明しきれず、すみません。

映画のラストがまた圧巻です。きっと来年夏には、長岡花火を見に行きたくなります。

そして、佐賀県立美術館でやってる山下清展も見に行きたくなるはず。
放浪の天才画家・山下清は、貼り絵「長岡花火」と、こんな言葉を遺します。
「みんなが爆弾なんかつくらないできれいな花火ばかりをつくっていたらきっと戦争なんか起きなかったんだな」
爆弾と花火。同じ作り方なのに、人間に与えた影響はまるで違うことに愕然とし、大林宣彦監督のパワーに圧倒されまくる160分。必見です。

シエマで9月21日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=2533




この記事へのコメント
とうとうダークナイトもサウンドオブミュージックも観に行けず・・・

いまはシロクロアリスさんがおすすめされていた「永遠の0(ゼロ)」を読んでいます。
まだ読み始めたばかりですが、どんどん物語に引き込まれている自分がいます。

「永遠の0」も映画化が決定していますが、その中の登場人物宮部氏を誰が演じるのか気になります。
Posted by クロ at 2012年09月11日 01:04
クロさん、お忙しいのですね。

「永遠の0」、私の周りでも改めてハマる人も!
宮部氏は、確か岡田准一さんだったと思いますよ。来年の映画ですから、もうしばらくしたら全貌が分かるのかもしれませんね。
Posted by ぽてち at 2012年09月11日 08:27
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