3週連続“青の50本”。今回は“レベッカ”

タイトルは”レベッカ“。でも、その名前は何度も出てきますが、映画の始まりから終わりまで一度も姿はもちろん影さえ出てきませんでした。こんな映画ってあんまりないですよね。でも、”レベッカ“という名前が頭の中いっぱいになっていきます。このあたりが、さすが、ヒッチコック。

旅行先で偶然知り合い、結婚する英国貴族マキシム(L・オリヴィエ)と主人公(J・フォンテイン)。妻レベッカをヨット事故で亡くして傷心のマキシムが今にも崖から飛び降りそうな場面から始まったので、まず、レベッカに対するマキシムの思いを主人公も映画を観る者も刷り込まされます。

そして、レベッカを尊敬して止まない家政婦デンヴァーの言動が、レベッカの容姿、人格、性格のすばらしさを主人公にも観客にもさらに印象付けていきます。

それが、偶然の船の座礁事故でレベッカの乗っていたヨットが海底で見つかったことで、どんでん返しに。実は、レベッカは・・・

マキシムには、殺人の容疑がかかります。しかし、殺人かどうかを左右する証言を取りに行った医者の口からは思いもかけないレベッカの体調が。ここもどんでん返し。

それにしても、主人公が仮装舞踏会で着る服に昔レベッカが着たドレスを選ばせるなど、デンヴァーの嫌がらせはすごい迫力でした。

最後は、マキシム夫婦の幸せな姿を見たくないと、デンヴァーがレベッカの思い出のつまった大邸宅に火をつけて死んでしまうという凄惨なシーンですが、考えるとハッピーエンドなんでしょうね。

とにかく、息のつけない展開で、あっという間の131分でした。

3週連続“青の50本”。今回は“レベッカ”


この記事へのコメント
「レベッカ」ってそんな鮮烈な映画だったんですね。
ヒッチコック作品は、えぐられそう!な感じがして、凄みがありすぎてこれまで正面から観たことがありませんでした。

青の映画祭を機に、いろいろ気付くことが多いです。今週の東京は「サウンド・オブ・ミュージック」。歌の素晴らしさもさることながら、冒頭シーンの美しさは必見ですね。
Posted by ぽてち at 2012年03月23日 00:45
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。