「タクシードライバー」 全編に漂う狂気と苛立ち

ベトナム戦争帰りのトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)は不眠に悩み、
深夜タクシーの運転手として惰性で生きていた。
ある日、大統領候補の選挙事務所に勤めるブロンドの女性ベッツィ
(シビル・シェパード)に一目ぼれしデートに誘うが、
ポルノ映画に誘ったことですぐに振られる。
鬱憤を募らせたトラヴィスは、大統領候補の暗殺を計画するが、
それも未遂に終わる。
その後、彼はポン引きのスポートに騙され売春婦として
働かされていた少女アイリス(ジョディ・フォスター)と出会う。
マーティン・スコセッシ監督自身もちょい役で出てます。
音楽は、バーナード・ハーマン。
あのメランコリックなサックスが響く有名なメインテーマは、
NYの裏社会を辟易しているトラヴィスのイライラが表れているのでしょうか。
映画を邪魔しない絶妙なBGM。
スチームの向こうからタクシーが登場する最初のシーンから、
狂気と苛立ちを孕んでいる空気がぬぉぉぉと迫ってきます。
‘ゴミ’を浄化したい、世間の不浄に我慢がならない。
いつの時代にも存在するようなリアルな狂気。
ずっとトラヴィスの目線で進行していきます。
スコセッシ監督に、観ている方が試されているようなエグさを感じます。
孤独、苛立ち、狂気…これが人間の本質なんだ、トラヴィスに共鳴できるのか?と。
余韻も含めて、怖いくらい印象深い作品です。
デ・ニーロ、ほんと佇まいがかっこいい。
13歳のジョディ・フォスターのかわいさが救いです。
午前十時の映画祭・青の50本の1作。
土曜の朝10時は満席でした。
Posted by ぽてち.
2011年08月11日01:28
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