「パピヨン」 大脱走と真逆の脱獄劇

胸に蝶の刺青をしていることからパピヨンと呼ばれる男(スティーブ・マックイーン)は、仲間の裏切りにあい、無実の罪で終身刑となった。終身刑は、祖国フランスを追放されるうえに、南米ギアナで過酷な労働が科せられる。脱獄を決意したパピヨンは、偽札作りの名人ルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)と取引することで、看守を買収したりボートを購入するための逃亡費用を稼ごうとする。脱獄失敗を繰り返し、独房に入れられるなど過酷な運命をたどるパピヨンだったが、やがて二人は奇妙な絆で結ばれてゆく。
パピヨン役のスティーブ・マックイーンは、午前十時の映画祭「大脱走」でも主役を演じています。
同じ脱獄ですが、「大脱走」がエンターテインメントであるのに対し、「パピヨン」は臨場感あふれる脱獄も、といった感じでしょうか。
脱獄に失敗したパピヨンは独房に入れられます。暗闇で絶望にさいなまれ、食糧も半分に減らされる日々。観ている側の神経がすり減りそうな仕打ちを受けます。スティーブ・マックイーンの堂々たる体躯が、独房生活後に劇的に変わります。
自由への執念を燃やし続けるパピヨンと、囚人なりの環境に適して生きていこうとするドガ。ダスティン・ホフマンもやっぱりいい俳優ですね。
150分の映画ですが、眠くなりません。150分丸々集中して観たぞ、というボリュームを感じられる映画です。
「自由」って何だろう。パピヨンはなぜそこまで「自由」に恋い焦がれたのか。
ラストカットにそんな哲学的なことを想ってしまいました。
シエマでは、来年1月7日~13日の上映予定。
Posted by ぽてち.
2011年08月05日00:24
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