「アレクサンドリア」 信念を曲げない女性に惚れる

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4世紀末、学芸の都だったアレクサンドリアが舞台。
才色兼備の女性天文学者・ヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は、宗教の別も奴隷であるかどうかも問わず、誰でも分け隔てなく弟子として学問を授け、慕われていた。
一方、世間では、急速に台頭してきたキリスト教徒と、古代の神々を偶像崇拝してきた科学者たちとの対立が激化。アレクサンドリア図書館が悲劇の舞台となってしまう。ヒュパティアの多くの弟子たちがキリスト教に改宗したが、ヒュパティアは変わらず宇宙の真理の解明に没頭し続ける。ヒュパティアの言動は、キリスト教徒に支配されていくアレクサンドリアの中でも次第に異端視されていくこととなる…。
アレクサンドリア図書館は、地学・数学・天文学・医学など世界中のあらゆる分野の書物が集積していたそうですが、アルキメデスやプトレマイオスなどが活躍したことでも歴史的に有名です。
ところが、当時のキリスト教は、非常に狭い教義であると解され、偶像崇拝をするような宗教を詰り続けます。その標的になってしまったのがアレクサンドリア図書館でした。図書館の消失により、ヘレニズム文化の成果が大量に失われてしまいます。
寝ても覚めても惑星の軌道を考え続けるヒュパティア。
弟子たちの恋心も全くかないません。
レイチェル・ワイズは、頭脳明晰で謙虚な女性天文学者がピッタリですね。
でも、まっすぐすぎる彼女は、その信念が悲劇を招いてしまいます。
ラブストーリーとして観ることもできますが、歴史的背景への理解があるとより楽しめます。その当時の歴史を調べてからちゃんと観たかったな~。ちょっと反省。
宗教の不寛容とアレクサンドリアの混迷ぶりがよく描かれています。
期待以上でした。
シエマで、7月15日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1940
Posted by ぽてち.
2011年07月09日02:11
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