午前十時の映画祭「アラビアのロレンス」

「午前十時の映画祭」3本目の今週は「アラビアのロレンス」。
この4時間の大作を、平日夜に観に行ってきました。
イギリスの名匠デビッド・リーン監督による大長編スペクタクル。
実在の軍人、ロレンスがモデルです。アカデミー賞7部門を受賞。
上映時間は227分!インターミッションもありますので、ちゃんと休憩しつつ観られます。
冒頭は、暗闇の中で序曲が鳴り響きます。
タイトルバックに続いて、1935年、中年になったロレンスが趣味のバイクでドライブに行く準備中。
いかにものどかなイギリスの田舎道を疾走していくと、坂の上で自転車に遭遇、
それを避けようとしてロレンスは事故死。
場面は一転、ロンドンのセントポール大聖堂、世界大戦の英雄・ロレンス大佐の死を知って
大勢の会葬者が集まり、かつての上官であった将軍たちが彼の思い出を語ります。
「そういえば彼は私がカイロにいた時に部下だった」。
そこで画面は大戦中のカイロに移る。
イギリス陸軍少尉のロレンス(ピーター・オトゥール)は、オスマン帝国からの独立闘争を指揮する
アラブの王子・ファイサル(アレック・ギネス)に会いにアラブへ。
イギリスへの協力を取り付ける目的で派遣された。
ファイサルの信任を勝ち得ると同時に、独立闘争を支援することに。
ゲリラ戦の指揮をとり、次々と勝利を収めるロレンス。
だが、やがてアラブ人同士の争いやイギリス・フランスなど国同士の思惑に翻弄されていく。
素晴らしい映像美に圧倒されます。一面砂漠砂漠砂漠。太陽のシーンも美しい。
撮影期間は2年半!想像を絶する大変さだったでしょうね。
ファイサル王子に仕えるハリト族の酋長アリが登場する場面なんて、驚愕です。
蜃気楼の向こうからやってくるアリ。最初は肉眼では全く見えません。
どうやって砂漠の向こうからくるシーンを撮るのでしょう?
キューはどうやって確認するの?
視力6.0ないと見えないっしょ?!
砂漠の映像美と、CGのない時代の本物だけが持つ映像の迫力は圧倒的です。
現在作るとしたら300億円と言われる制作費。贅の限りを尽くした本作。必見です。
ちなみに、俳優たちの名演も素晴らしい。
この俳優の方々、かなりの有名映画にも出ているのでちょっとご紹介。
あまりに化けていて、すぐには分かりませんね、私は。
〇ロレンス役:ピーター・オトゥール
→ 「おしゃれ泥棒」シモン・ダーモット役。
「ラストエンペラー」で溥儀の家庭教師役のスコットランド人役
〇ファイサル王子役:アレック・ギネス
→ 「スターウォーズ」(エピソード4~6)オビ=ワン・ケノービ役
〇ハリト族の“シャリーフ・アリ”役 :オマー・シャリフ
→ 「ドクトル・ジバゴ」(これもデビッド・リーン監督)のジバゴ役
この映画、女性がしゃべる場面は全くありません。前編男性キャストのセリフのみ。
モーリス・ジャールによる楽曲もすばらしい。
嗚呼、すごすぎて、見落としがモリモリ。
最初の葬儀のシーンで出てくる「ロレンスは立派な人物だった」と言ったおじさんと、
病院でロレンスを殴った人物と、ロレンスに握手を求めた人って一緒だったのかー!
軍用車がロールスロイスだなんて、気が付かなかったー!
と、悔やまれるポイントも多々あります。画面に見惚れてご覧ください。
シエマで、2月25日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1771
Posted by ぽてち.
2011年02月22日18:45
| Comment(2)
この記事へのコメント
私も見ました。おもしろかったですね。でも、「病院でロレンスを殴った人物」のシーンが思い出せません・・・。この映画、たぶん昔むかし、テレビであっていた「月曜ロードショー」で見たような気がするんですが、なにぶんそのころはまだ幼くて内容はまったく記憶にありません。そもそも記憶違いかもしれませんが。戦争の狂気やそれに巻き込まれたときのひとの弱さや、毀誉褒貶ってこうしてできていくんだなって、そんなことが印象に残りました。
Posted by シロクロアリス at 2011年02月22日 22:32
シロクロアリスさん、コメントありがとうございます。
ダマスカス入りしたロレンスが、病院の様子を観に行ったら、
アラブ人に間違われて、殴られた場面です。
映画観た直後に教えてもらったのですが、
ふつうなかなか覚えてないですよね~。
微に入り細に入りよくできたストーリーだと思います。
オトゥールの表情が毀誉褒貶を物語ります。
舞台俳優だったオトゥール。
この「アラビアのロレンス」がほぼ映画デビュー作。
表情の豊かさが活かされています。
ダマスカス入りしたロレンスが、病院の様子を観に行ったら、
アラブ人に間違われて、殴られた場面です。
映画観た直後に教えてもらったのですが、
ふつうなかなか覚えてないですよね~。
微に入り細に入りよくできたストーリーだと思います。
オトゥールの表情が毀誉褒貶を物語ります。
舞台俳優だったオトゥール。
この「アラビアのロレンス」がほぼ映画デビュー作。
表情の豊かさが活かされています。
Posted by ぽてち at 2011年02月24日 12:20