「ボローニャの夕暮れ」― 父が娘に注ぐ無限の愛情 ―

「ボローニャの夕暮れ」― 父が娘に注ぐ無限の愛情 ―
第二次世界大戦下のイタリア・ボローニャが舞台。
高校教師ミケーレ(シルヴィオ・オルランド)は、
同じ学校に通う最愛の一人娘ジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)のことを
四六時中気にかけています。
完全な箱入り娘であるジョヴァンナですが、美人の母デリア
(フランチェスカ・ネリ)との関係は微妙。
そこで、父ばかりが娘のお節介を焼きます。

恋にも消極的な娘にボーイフレンドが出来ればと、モテ男子生徒を
それとなくけしかけるミケーレ。
それが思いも寄らぬ事件に発展してしまいます。

戦争も始まって、事件もあって、平穏だった一家の関係は、
音を立てて崩れていきます。一番最初の脱落者はジョヴァンナ。
次にデリア。美人の母の秘密も物語後半に明かされます。
二人になぜ距離があったのかも。

ミケーレだけは、娘を愛し続け、その再生を信じて、
自分の人生を投げうちます。
父の深い深い愛情に包まれたジョヴァンナも、
時間をかけて父のもとに戻ってきます。

主演のミケーレ役のシルヴィオ・オルランドは、
本作の演技でヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞。
こちらも素晴らしいのですが、ジョヴァンナ役の若手女優
アルバ・ロルヴァケルの狂気を孕んだ演技にくぎ付けになりました。

チラシのキャッチコピーは、「生きていくって寄り道ばかり」と、
非常にかわいいのですが、驚愕の展開にビビります。
家族の再生がチラリと見えるラストにほのぼの感があって救われますが、
鑑賞後の感想は「イタリアってこわいかも…」。
でもパスタは美味しそうです。
心して観ましょう。

シエマで、11月26日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1659



この記事へのコメント
私の父も負けず 娘に注ぐ愛情は、半端」ないです。
Posted by ティカッププードル at 2010年11月18日 14:24
ティーカッププードルさん、コメントありがとうございます。

父上の愛情を半端ないと感じることができるのは、
世知辛い事件の多い最近では、とても幸せなことですね。

映画を観て、父親孝行したほうがいいかな?と思いました。
Posted by ぽてち at 2010年11月18日 17:48
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