「カケラ」― 心のスキマはカケラで埋める ―

シエマ秋の必見の2本(勝手に推奨)は「BOX 袴田事件」「川の底からこんにちは」。
この2本は11月12日までの上映ですが、次の「カケラ」もかなりインパクト大です。
早稲田大学に通うハル(満島ひかり)は、どこにでもいる普通の女の子。
目標もなく生きていて、女癖の悪い男と付き合っています。
ある日、カフェで、事故や病気で失った体のパーツを作るリコ(中村映里子)
と知り合い、突然、愛の告白をされます。
恋愛に「男」か「女」かなんて関係ないんだよ。
自分のほしいものがはっきり分かっているリコは、そう言ってハルをくどきます。
月はまん丸になるになるけど一日だけだよ。欠けてる月もキレイだよ。
ハルはリコのまっすぐな自分への思いを葛藤しながら受け止めて、
少しずつ変わっていきます。
満島ひかりさんは、「川の底から~」でははっちゃけた感じでしたが、
今回はまた違う、流されまくりで満たされない女子大生役です。
困ったり悩んだり呆けたり、この字面そのままを体現しています。
神がかり的な演技の満島ひかり、健在。
ハルは、リコと出会って、性欲しかない彼氏と別れ、リコとの日々を過ごします。
が、次はリコに束縛されて爆発してしまいます。
ハルの心のスキマは、自分で探したカケラでないと埋まらない。
最後にハルが窓の外に見たものは何でしょう。
ろくに笑わないハルですが、ラストのショットでは表情の印象が違うのが不思議。
でも、ラストの解釈は映画を観てるほうに預けた感じなので、
好みが分かれるかもしれません。
安藤モモ子監督は、印象深い作品を撮りますなぁ。
安藤姉妹(=安藤モモ子&サクラ)、これからも大注目です。
中村映里子さんも凛々しくてよかった。脇役は、かたせ梨乃、津川雅彦など磐石。
志茂田景樹が印象深すぎですね。一瞬しか登場しませんが残像が焼きついています。
シアターシエマで11月19日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1555
Posted by ぽてち.
2010年11月09日20:16
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