「闇の列車、光の旅」― 中南米を直視する ―

中南米の移民やギャングの現状を描いた「闇の列車、光の旅」。
サイラは、父と叔父とともにホンジュラスを出て、
自由の国アメリカを目指します。
3人はどうにかメキシコまで辿り着き、
アメリカ行きの列車の屋根に乗り込みます。
ところが、ギャングのカスペルたちが
移民から金品を巻き上げるために列車に乗り込んで来ます。
同じギャングのボスに襲われかけたサイラを
助けてしまったカスペル。
ボスを殺してしまったカスペルは、追われる身になります。
幼くしてギャングに入った少年に。
南米では、銃と暴力とクスリが身近すぎるくらい身近にあり、
ストリートギャングに憧れる少年たちを日々造成している、
映画ではそんな描き方になっています。
豊かで治安のよい国に住んでいると、そんな現状に
思いを馳せることすら至難の業です。
列車の屋根に雨ざらしのままで、
警察の取り締まりや、ギャングの襲撃、
寝ている間に振り落とされたら轢死してしまう、
そんな危険にさらされながら、
命がけで国境を越えようとする不法移民たち。
彼らの命懸けの旅は、「光の旅」ではありません。
でも、一瞬心を通わせるサイラとカスペルに、
少しでもいいから光が差してほしい、そう願って止まない一作。
ズシンときます。シエマで、9月10日(金)まで。
http://ciema.info/index.php?itemid=1471
もう一つ、ズシンと来る国境ものといえば「クロッシング」
こちらも注目の一作ですね。
9月11日から10月1日まで。予告編だけで泣けます。
http://ciema.info/index.php?itemid=1479
Posted by ぽてち.
2010年08月30日18:30
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